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活動情報
2014/12/11
2014年度第2回学術技術交流会 11月14日(金)

 2014年11月14日(金)に、近畿大学水産研究所(和歌山県の紀伊大島事業場)において学術技術交流会を行いました。16名の方にご参加頂きました。この紀伊大島事業場は、完全養殖が成功したクロマグロの研究の拠点になっているところです。

1.施設見学
 全員、この日のために前日から串本に宿泊し、朝10時から漁船に乗って近畿大学のクロマグロ養殖生簀を見学させていただきました。事業場長でもある岡田特命教授に同乗していただき丁寧な説明を受け、沖出ししたばかりの若魚から10年目の親魚まで見ることができました。特に、親クロマグロがゆうゆうと泳ぐ姿には命の荘厳さを感じました。また、岡田教授の丁寧なリアルなご説明には養殖への並々ならぬ熱意を感じました。
 下船後、陸上養殖をしている各種の稚魚やヒラメも見学させていただきました。

水産研究所での集合写真

クロマグロの生簀見学の様子


岡田特命教授のご説明

2.学術技術交流会

 午後からは、昭和45年に建てられた美しくて重厚感のある建物に歴史を感じながら、学術技術交流会が始まりました。
 まず、高田会長の開会挨拶の後、さっそく、近畿大学の熊井英水教授(前々所長)にクロマグロの完全養殖の歴史と今後の展望についてお話をしていただきました。11年間も産卵しなかった時代など数々の試練を乗り越えて、世界で初めて完全養殖に成功された挑戦と苦闘のお話に興奮しました。さらに、今後の壮大な近畿大学の計画もお聞きしました。熊井先生の血と汗の研究の道のりや壮大な養殖計画に感動いたしました。
 続いて、村田教授(前所長)に、選抜・交雑育種技術のお話をしていただきました。近大ではおよそ10種類におよぶ交雑種の生産に成功されました。特に、イシダイ雌とイシガキダイ雄を掛け合わせて、交雑種「キンダイ」を産出されたお話は大変興味が湧きました。村田教授の数々の交雑種研究には技術者魂が共鳴いたしました。
 これまでにない水産関係のお話に対して質問が続き、時間があっと言う間に過ぎていきました。
 その後、賢材研究会からは、東北大学の松原教授、清水建設の柴氏、および東京製網の蜂須賀氏の学術発表がありました。


熊井教授のご講演


村田教授のご講演

 

3.意見交換会

 無事学術交流会も終了し、串本ロイヤルホテルへ移動。講演していただきました熊井教授と村田教授にも参加していただき、稲田さんの進行で意見交換会を行いました。串本の水産物をはじめ、ボリュームのある大変美味しいお料理を満喫しました。また、交流会では時間がなくて聞けなかったお話を熊井教授や村田教授に矢継ぎ早に質問し、先生方も熱心に答えていただきました。
 賢材研究会としまして、朝早くから12時間ほど感動の連続で充実した交流会になりました。

意見交換会での集合写真

 最後になりましたが、今回の交流会に向けて数か月前から準備していただきました近畿大学の宮下教授(現所長)、滝井教授、菅家副参事、上中事務長、木本さんにはいろいろとお世話になりました。
皆様のご協力有り難うございました。

報告:尾原佳信(積水化成品工業株式会社)
写真:水津浩之(株式会社環境セラステクノ)


【参考資料】
■近畿大学水産研究所
本部所在地: 和歌山県西牟婁郡白浜町 3153(白浜実験場)
開設: 1948年 ※開設当初は「臨海研究所」
所長: 宮下 盛
教職員数: 197人(教員 12人 / 技術員 163人 / 事務員 22人)
主な研究実績:
・網いけす式養殖法の開発
・18魚種の種苗生産(世界初)に成功
・クロマグロの完全養殖達成 等
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