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事例紹介
損傷を自己診断するコンクリート杭
(財)ファインセラミックスセンター
 様々な建造物の支えとなるコンクリート杭は、地中に埋められていることから地震など災害時に受ける損傷を診断することが非常に難しいとされておりました。そこで、研究具体例1にて紹介した炭素粒子分散FRPをこの杭の健全性診断に応用する研究を進めています。
 実物の杭(長さ8 m)に埋め込んだFRPの電気抵抗値をモニタリングすることにより、杭全長にわたって健全性の診断ができます。歪ゲージ等のポイント型のセンサではひび割れ発生箇所によっては殆ど応答せず損傷していないと誤認する危険性があることから、この構造物全体を診断できるメリットは非常に大きいといえます。
 さらに、このFRPは高感度・高強度であることから、コンクリートにひび割れが発生しない健全な変形から完全に破壊して杭としての機能を失う変形までの非常に広い変形範囲を網羅して診断できます。これもひび割れ発生と同時に破壊されてしまう歪ゲージ等では達成できない大きな特長の一つです。(中部電力株式会社との共同研究の成果)
図 コンクリート杭の曲げ試験状況と適用構想図

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