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事例紹介
光検知式水素センサーの開発
長岡技術科学大学 高田 雅介
  従来の水素センサーは、水素ガスの吸着によるセンサー媒体の電気抵抗の変化を検知することを作動原理としていたのに対し、本研究におけるセンサーは、水素雰囲気下におけるセンサー媒体の色変化を検知するという新しい原理に基づいています。
 本センサーの特色を列挙しますと次のようになります。1.水素ガスとセンサーの化学反応に基づく色変化を検知するため、従来の水素センサーに比べて水素ガスを検知する能力が格段に向上します。2.高感度(水素濃度0.01%以上の検知が可能)のセンサーです。3.従来のセンサーは感度の向上およびクリーニングのため、センサー媒体を加熱して使用しています。これに対し、本センサーは室温で動作するので、防爆面からも安全性が格段に高くなります。4.検知に光を用いるため、センサー媒体に電気的な配線を必要としません。
 すなわち、漏電、短絡による発熱、着火が起こりえず、またレーザー光の利用により遠隔検知が可能となります。石油系燃料に代わるきれいなエネルギー源として水素が注目され、水素をエネルギー媒体として利用する新たなエネルギーシステムが検討されています。燃料として水素ガスを搭載した自動車や水素を燃料とした燃料電池の開発、水素スタンドの設置など、水素エネルギー時代がすぐそこまで来ています。一方、水素は色も匂いもありません。水素漏れが起きても、人間の五感では感知することが出来ません。水素エネルギー時代の到来に伴い、より安全で快適な生活を送るためには、水素ガスを安全、確実に検知するセンサーの開発が不可欠となるのです。

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